令和3年第四回定例会 本会議一般質問
令和3年第四回定例会 本会議一般質問
令和3年第四回定例会 本会議一般質問
令和3年12月2日
自由民主党の高森喜美子でございます。台東区議会令和3年第4回定例会にあたり一般質問をさせて頂きます。
1. SDGsと区の取り組みとの関連を区民に認識してもらうことについて
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)は,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。また、発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
地方自治体にも積極的にSDGsへの取り組みを進めるよう促し、成果が公表されています。テレビや新聞などの報道でもたびたび取り上げられ、聞いたことがあると思われる方も増えて、一般の認知度も50%を超えてきました。すでに企業経営陣の85%はSDGsを認識し、企業イメージ向上やグローバル戦略として取り組み、商品と共にPRしています。
台東区では長期総合計画の中の、計画の背景(9)SDGsの理念を踏まえた区政の推進としています。区における一つ一つの施策は「持続可能でより良い世界を目指す国際目標」17のどれかと同線上にある具体的取組でありますが、所管課において意識されているでしょうか?また区民の皆様に協力して頂いている事業について、国際目標であるSDGsに繋がっていることを認識して頂けているでしょうか?例えば町会活動の中の、リサイクル、防災・防犯・防火活動、イベント 青少年育成活動、シニアクラブの活動等どれもSDGsに繋がります。各家庭でのごみの分別、食品ロス削減、省エネ、健康管理、家計の管理、子育て、教育、などもSDGsに繋がります。一つ一つの取り組みの意味が持続可能でよりよい世界を目指す取り組みと認識することで、モチベーションも変わり自信と誇りをもって取り組めると思います。区の施策は、それぞれSDGsのどの目標と同一線上にあるのか、17色のアイコンで表し取り組みの国際目標と普遍性を認識できるようにしてはいかがでしょうか?区からのお知らせや広報、SNSなどあらゆる機会にアイコンの活用で、区民との共通認識を深めるよう取り組みを進めて頂きたいのですが、区長のお考えをお聞かせください。SDGsは国や企業だけが頑張れば達成できるのではなく、私たち一人ひとりの認識を深め、誰一人取り残さないとの誓いを、区政と区民とが共に作り上げていくことで実現したいものです。また、新型コロナウィルス感染症の影響は大きく、国においては、人間の安全保障が脅かされており、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジのさらなる推進、グリーン社会の実現やデジタル改革に向けた取組、革新的なイノベーションの活用で未来を先取りする社会変革に取り組む、としています。本区においては、アフターコロナを見据え、長期総合計画の一部修正について委員会で報告がありました。社会経済状況の変化を捉え、人口動態・地方移住、ICT教育、孤立・孤独問題、脱炭素社会、デジタル社会の形成などの課題に対応する計画になるよう期待いたします。同時に施策とSDGsの目標との関連も区民に分かりやすく表示して頂きたいと思いますが区長のお考えをお聞かせください。
2. 男女共同参画社会の実現と男性の育児休業について
男女共同参画社会を目指す取り組みは、私のライフワークの一つでもあり、議会でも関係する発言を度々してまいりました。台東区男女平等推進基本条例が全議員の協力により成立した事も、嬉しく思っております。私が以前住んでいた葛飾区で初めて議員になった当時は、「女のくせに」やセクハラ発言は珍しくなく、性別役割分業感覚が根強い時代でした。1995年に北京で開催された世界女性会議に、当時の葛飾区議会女性議員の有志と区民の代表の方々と共にNGOとして参加した経験が深く心に残っています。世界185か国から、NGOの参加者は3万人、会場には様々なフォーラムが開かれ、お互いの主張を一生懸命訴えている情熱や、より厳しい状況にある国からの参加者もあり、世界には、民族、政治、文化、風土の違いを超えてより良い社会を共に目指す女性の姿がありました。この第4回世界女性会議の北京宣言、行動要領が、大きな指針となり、日本における法整備や、取り組みも進んできたと感じています。昨年は「北京+25」25年目の節目の年でジェンダー平等とエンパワーメントを推進する目的で国連女性機関、メキシコ政府、フランス政府がフォーラムを開催し、オンラインで丸川珠代内閣府特命担当大臣が、メッセージを寄せています。丸川大臣の発言にも、コロナ禍で浮き彫りとなった、ジェンダーギャップの解消や女性への影響は現状の大きな課題とされています。ともあれ、女性の社会進出は進み、育児年齢期と言われる25歳~39歳で仕事をしている女性の割合は80%を超えています。保育園の入園希望者の増加は共働き世帯の増加を示しています。社会も家庭も男女で共に支えあうのであれば、女性が社会で活躍するようになった分、男性は家庭生活の家事・育児を分担してこそ成り立つはずです。しかしながら、男性の家事に使う時間の割合は女性の6分の一程度で全く足りていません。共に社会を支えるためには労働環境の改善、ワーク・ライフバランスの重視が必要です。男性も家庭生活を支える為には、育児は勿論、料理・洗濯・掃除など家事力のスキルアップが必要のようです。
ところで今年6月に育児・介護休業法が改正され、2022年4月1日より段階的に施行されます。今回の改正では、男性の育児休業取得促進のための枠組みが新たに追加されました。そのため改正法を「男性育休」と呼ぶむきもあります。この法律には従業員が育児・介護を理由として離職することを防ぎ、男性・女性問わず仕事と育児、介護の両立を可能にするために新たに変更が加えられました。これまでの男性育休取得率は2020年12.65%で、しかも1週間以内の短期間の取得が7割と、長期休業するのが難しい状況でした。職場の風土が男性の育休に否定的だったり、収入の減少もハードルとなっていました。男性の育休は制度改正により、原則2回まで取得可能となるほか、これとは別に出生後8週間以内に4週間分を取得することが可能となり分割して取ることも出来ます。休業給付金は賃金の67%、社会保険料が免除されるので、実際の支給額は上限がありますが、収入の8割が休業中も保障されます。育休を言い出しにくい状況を解消するため、企業の側から制度について説明し、取得の意向を個別に確認することが義務化されます。申請期限も「2週間前」に変更となり働き出して1年未満の非正規雇用についても育休を取得できるように変更されました。男性の育児への関わりが多いほど、その後の夫婦関係に信頼と絆が生まれ、さらに親の介護の時も積極的姿勢が備わると言われています。社会も家庭も男女が共に支え合う社会の実現は台東区の重要課題でもあります。区の職員の男性育休取得についてどのように進めていくのか、区長のお考えをお聞かせください。また、企業側も新制度をもとにした従業員の求めに応じられない、といったことがないよう、就業規則の見直しや新たな労使協定の締結を行っておくことが重要です。区内の民間企業の経営者や働いている方たちにどのように働きかけていくのかお考えをお聞かせください。
3. デジタル社会に向けた台東区学校教育情報化推進計画について
国の2019年12月の補正予算案で予算化されたGIGAスクール構想は、当初、2023年度までの計4年余りをかけて進めていく想定でした。2019年の新型コロナウィルス感染症の拡大は、学校を休校にしなければならない異例の事態に陥り、さらに短縮授業の期間が続き、教育のデジタル化の必要性を痛感した全国の自治体が協力して、小中学校の一人一台の端末整備と小中高等学校の通信ネットワーク整備を一気に進めることが出来ました。GIGAスクール構想がつくられた背景には、社会全体で進むデジタル化に対し、教育現場はアナログが主流でデジタル化の遅れがありました。3年に一度の「PISA」と呼ばれる「OECD生徒の学習到達度調査」の方法が2015年デジタル化され、インターネット世界での読解そのものが問題になったのです。読解力の成績が落ち込み、情報活用能力も必要とされコンピューターを操作できないと解けません。日本ではそういった部分での課題があることが浮き彫りになりました。またPISAの別の質問調査では、1週間のうち学校の授業でデジタル端末を利用する時間が、OECD加盟37カ国のなかで国語・数学・理科3教科全てにおいて、日本が最下位になったのです。ところが、学校外でのデジタル端末の利用状況は、平日にLINEなどのメッセージアプリでやりとりすると答えたのは、OECD平均より20ポイント多い87.4%、「1人用ゲームで遊ぶ」も同じく20ポイント以上多い47.7%で、いずれもOECD加盟国中1位でした。反対に「コンピューターを使って宿題をする」は、世界各国が20%台なのに日本は3.0%でショックを隠しきれません。令和元年6月「学校教育の情報化の推進に関する法律」は自治体に学校教育情報化推進計画の策定を求めました。ソサエティ5.0時代を生きる児童生徒のスキルとしての情報活用能力は必須であり、まずは学習に使い慣れ親しむことではないでしょうか。そして、データによる正確な現状認識、先生と繋がり、友達と繋がり、クラスや学校・地域を超えて繋がりで、意見や考えの違いを幅広く知ること、より深く調べて知ることなど、人としての成長を期待いたします。今後はクラウドを活用したデジタル教科書の導入や一人一人の学習データの蓄積による個別の指導が可能になってきます。誰一人取り残さないSDGsの教育を進めて頂きたいと願っています。台東区では第1回定例会の委員会報告で「台東区学校教育情報化推進計画」を策定し、この定例会で中間のまとめを報告するとされています。ほぼ出来ているところですが、計画策定にあたり、教育長の決意や思いをお聞かせください。またこれまでのタブレットでの教育の課題や、児童生徒の受け止め、教員の工夫や実践の成果、計画における台東区の特色や進捗のチェックと共有化についてお聞かせください。
4. 新型コロナウィルスワクチン3回目の接種について
新型コロナウィルス感染症の感染者数は東京でも減り、11月に入り週平均30人以下となってきています。諸外国では、ワクチン接種2回を済ませた方への感染やオミクロン株拡大の懸念報道もあり、この先の日本における第6波の心配がされています。3回目の接種は時間経過とともに低減する感染予防効果を補い、新型コロナウィルス感染拡大を抑えることが期待されています。区には、3回目接種を1・2回目と同様円滑かつ着実に進めて頂きたいと思います。これまでの2回の接種では集団種会場でも待ち時間も少なくスムーズに接種できたと区民の方からおおむね好評でした。3回目の接種について、ワクチンの種類はどのようになるのか、2回目の接種の際は区長自らスムーズな量の確保を厚生労働大臣に要請した経緯がありますが、国からのワクチンの供給は自治体の接種予定を十分にこなせる量が見込まれるのかご所見をお聞かせください。また、1回目の接種の際は、インターネット、コールセンター共に繋がり憎く、問題になりましたが3回目は経験を踏まえどのような対策を講じるのか、接種場所は、病院、かかりつけ医、集団接種会場に、2回目との違いはあるのかお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。