平成28年第3回定例会 決算委員会総括質問
平成28年第3回定例会 決算委員会総括質問
平成28年第3回定例会 決算委員会総括質問
自由民主党の高森喜美子でございます。
東京都台東区平成27年度決算委員会の総括質問を、認定の立場から、区長並びに教育長にさせて頂きます。
1.初めに財政状況の好転を活かした施策の前倒しについて伺います。
平成27年度景気の好転により区長の積極的施策の展開と課題についてお聞きいたします。
27年度は服部区長が就任された初年度であり、「躍進台東・新しい台東区」のスローガンの元、5つの大きなテーマを掲げ事業を実施された事は、区民にも伝わりやすく大いに評価するものであります。
ことに、待機児童の解消が急務であり、保育所の整備がニーズに追いつかない状況対し、フレッキシブルに対応され前倒して保育所の整備を進めました。また、施設のLED化を加速させ、省エネルギーと管理コストカットが進んだ事、問題視されていた観光バスの駐車場不足への取り組みの前進、老朽施設の改修計画実施により、小・中学校の大規模改修工事の前進、など積極的施策の展開を評価いたします。
そこで、今日までの体験や平成27年度決算を踏まえ、今後区長として進めるべきと考えておられる施策や、課題と捉えている点についてお聞かせください。
将来を見据えた、さらなる積極的展開について、お聞きいたします。
国や東京都は、今後本格的に2020年オリンピック・パラリンピックに向けて大きな施設整備などの、公共事業を展開して行きます。オリンピック・パラリンピック協力企業も活発にPRをする事でしょう。
2020年までは期待と共に、経済は当然上向いていくと考えられますし、台東区の財政状況も良い状況で推移すると予想されます。こうした流れを的確に捉えるならば、区政にとって積極的に施策を展開できる大きなチャンスと考えます。
ここ数年、財政基盤を支えるために余剰金を基金に積み増してきて、基金は大幅に増えました。財政調整基金94億円を含み、総額は388億円となっています。
さらに貯め込むのか、将来に渡って効果の見込める施策を積極的に展開するのか?大きく判断の分かれるところです。各項ごとの審議の中でも指摘致しましたが、次の点については特に進めていくべきと考えます。
一つは区立特別養護老人ホームの赤字の解消対策です。介護保険制度の下では100床程度を基準に黒字化する仕組みですので、今の規模では毎年の赤字2億円を区が負担し続けることと成ります。
つぎは、省エネ化と管理コストの削減の為、街路灯も含めLED化を加速的に進める事です、電力料金の削減効果により、初期投資のコストもいずれは回収できるのではないでしょうか。
つぎは、区役所の事務用品である紙です。ペーパレス化の推進も遅れています。IT化が進み、PCも配備され、システムやランも使われ環境は整っていますが、紙の使用量は減りません。決断とスタートの時期ではないでしょうか。
つぎは、スタンドパイプの増設です、現状では足りないとの声があります。配備すれば、初期消火に役立ち、誰もが使えるように日頃の訓練も出来ます。つぎは事業の廃止です。理由があってスタートした事業ですから、こだわりがあると思いますが新しい事業を展開する為に、区民目線で見直して、決断は早く時代は進んでいます。
以上が私の提案ですが、将来を見据え区長はどのような積極的展開をお考えでしょうか、お伺いいたします。
人口ビジョン・総合戦略について伺います。
確かな将来を展望するためには、現状の分析が必要と考えます。
国は平成26 年9月、人口急減・超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対し政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的で持続的な社会を創生できるよう、まち・ひと・しごと創生本部を設置しました。
同年12 月27 日には人口の現状と将来の姿を示し、今後めざすべき将来の方向を提示する「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」及びこれを実現するため、今後5か年の目標や施策、基本的な方向を提示する「まち・ひと・しごと創生総合戦略」をとりまとめ、閣議決定しました。さらに地方創生において、地方が自ら考え、責任を持って戦略を推進する観点から、地方公共団体は、国の長期ビジョンと総合戦略を勘案して、地域の特性を踏まえた「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」を策定することとしています。
台東区では平成28年3月に「人口ビジョン・総合戦略」を策定しました。
長期総合計画や各計画を策定している地方公共団体にさらに人口ビジョン・総合戦略を策定させている意味は、人口減少は深刻な問題との共通認識に立ち、子育てや若者支援の施策を充実し、合計特殊出生率を1,8まで回復する事、東京圏への過度な人口集中を是正し、将来にわたって活力ある日本社会を維持することをめざし、地方創生を進めているからです。
確かに、台東区の人口ビジョンによると今後30年間は緩やかに人口が増加してゆくとうい推計結果となっていて、人口減少は関係ない様に見えます。しかし、自然減、社会増の結果ですので、構成内容は変化します。
近年ワンルームマンションの増加やシェアーハウスの様な住み方も出現している現状を見ると、結婚・出産・子育ての出来る環境なのかと思わざるを得ないのです。
都市部には都市としての地方創生を、少子化に歯止めをかけ、働き、暮す、安心安全な地域を創る総合戦略を進めるに当たり、流入している人たちの、所得や年齢、家族構成、住まいなどの分析を施策に反映すべきと考えますが如何でしょうか。区長のお考えをお聞かせください。
地方創生は東京と地方の両立なくして実現できません、都市交流の展開について伺います。
東京の発展は東京だけで成しえるものではありません。
人、エネルギー、食料、あるいは水や空気にいたるまで、全国各他の自治体の支えがあって、都市に暮らす私たちの日々の生活は成り立っています。
それぞれの自治体が持つ強みを活かし、弱みを補完する自治体間相互の共存・共栄をめざすことで、区民生活の向上に繋がると考えます。
姉妹友好都市のみならず、全国各自治体との交流・連携関係を創ることは、地方創生の大きな流れの一つです。
効果は、地域間の相互理解、産業の活性化、文化的交流、教育、観光、防災 住民交流、など幅広いと考えます。
地方創生と都市交流について区長のご認識をと今後の展開をお聞かせください。
職員の育成について伺います。
管理職の現状と改善策について、お聞き致します。
平成26年4月より地方公務員の再任用制度が本格的にスタートし、台東区役所の管理職に再任用の方が目立つようになってきました。再任用は公的年金の支給開始年齢までの空白を埋める意味もあり、希望すれば65歳まで勤務することができます。
長年にわたる経験や知識も豊富な方々ですので信頼感や安心感があるのはいい点だと思います。
一方で管理職に成りたい、と希望する職員にとってはポストが回ってこないとモチベーションが下がるのではないかと心配です。最近では課長試験の挑戦者が減っているとか、係長になるのも責任ばかり重く、報酬はさほど多くならないと辞退されるケースもあると聞いています。
しかし、区の舵取りの一端を担う管理職希望者が少ないと言うのは、どうしたものでしょう。まずは現在の部長級の皆様が良きモデルとして、職員のあこがれの存在となって頂きたいものです。
そして課長と共に良き職場環境をつくり、一人一人を育てる区役所独自の仕組みを作って行くことが大事です。今後管理職を目指す職員のモチベーションを高める方策について、区長のお考えをお聞かせください。
若手職員養成の為、民間企業や海外機関への派遣について伺います。
生産性の向上や様々な先進的取り組みをしている民間企業に若い職員を派遣し、ノウハウやマインド、を取り込むことは役所の働き方の見直しの参考になると思います。
また 海外との交流が盛んになる近い将来、外国語力やグローバルスタンダードの感性が必要になってくると思われます。
海外派遣の体験は、語学力の向上、習慣の違いや、表現の違いを理解し対外国とのやり取りをスムーズにこなせる力を身に着ける機会と成ります。
7月にフランクフルトの総領事を表敬訪問した際に、日本航空のフランクフルト支店長さんをご紹介頂きました。日本航空では他市からの派遣職員をすでに受け入れていて、台東区からも希望すれば、受け入れ可能とのお話でした。
数年前ですが、ソウル市で市長さんにお目に掛る機会があり、ご案内役の方が日本人でした。聞いてみると横浜市からの派遣で、ソウル市役所で働いているとの事でした。
すでに海外派遣による人材育成は、いろいろな形で実施されています。国際都市台東区を標榜するのであれば、日本航空を含め、民間企業や、海外への職員の派遣を考えてみては如何でしょうか?区長のお考えをお聞かせください。
女性の管理職が増えない理由と改善策について伺います。
台東区役所の職員全体に占める女性の割合は増えていると感じますが、管理職の割合がなかなか増えない状況にあります。従前から課題となっているので、対策は取っていると思いますが、効果が少ないのです。
女性が管理職に成りたくない理由は 責任ばかりが重く、それほどメリットがない。勤務時間が長くなり、家庭と両立できない。いずれの理由も男女共に嫌がる理由になりそうです。
27年度時間外勤務の年間総時間が資料として出されました。時間外勤務が多いと思います。職場の意識を変え、生産性を上げて時間内に仕事を終わらせる変化が必要です。
ワークライフバランスの効果は一人一人の生活を変え、意識を変え、管理職志望へと意欲さえも変える大きな力になると言われています。女性の活躍を応援すると安倍総理も明言しています。
ぜひ台東区でも区役所から女性の活躍を応援し、ワークライフバランスのとれた職場へと改善して頂きたいと思います。そこで女性管理職を増やす為の目標と改善策について、区長のお考えをお聞かせください。
学力向上等の取り組みについて伺います。
まずは、矢下教育長ご就任おめでとうございます。
初めての質問の機会ですので、細かな点については、今後に譲と致しまして、台東区教育委員会を率いるお立場から、決意や27年度決算審査特別委員会の審議の感想を含めお答えください。。
台東区の27年度決算で教育費は約151億円で民生費約361億円の継ぐ2番目に大きな金額となっています。全体として良く取り組んでいると感じています。
ことに、小・中学校では、ICT教育として電子黒板の導入、PCの配備と環境を整備しました、学力向上ティーチャー、大学生は先生、特色ある学校の推進など様々に対応していると感じています。
しかし、全国学力テストの結果では、大方は向上の傾向ですが理科だけがいつも課題とされています。この弱点克服の為には、さらなる教育実践の現状分析と創意工夫が必要ではないでしょうか?また成績の二極化につては、勉強の不得意な生徒をいかにやる気にさせるか、教師の腕の見せどころであり、教育委員会は支援のしどころと思い取り組んで下さい。
不登校の数も少なくありません、長年にわたり問題視され、対策も講じているのでしょうが数として毎年挙げられています。「学校は楽しい、学校の授業はよく分かり勉強は面白い」と子供が感じることが大切です。
教員免許を持ったプロの集団としての教師と。教育委員会がタッグを組んで、さらにきめ細かく取り組んでいただきたいと思います。本委員会での審議を踏まえ、全国学力調査の結果や不登校児童の状況について、教育長の認識と今後の取り組みについてお考えをお聞かせ下さい。