平成20年第1回 平成20年度予算総括質問

平成20年第1回 平成20年度予算総括質問

平成20年度予算審査特別委員会総括質問   20年3月18日

平成20年度は、長期総合計画「にぎわい いきいき したまち台東」の実現に向けて進められている行政計画が改定され、向こう3ヵ年の事業が具体的に示されたその初年度にあたります。

 歳入の根幹である特別区民税の増は基礎的自治体への税財源の委譲が多少なりとも進み、地方分権の流れが感じられます。また、本区の納税義務者の増、個人所得の増は喜ばしい一面であります。しかしながら、経済の状況は、原油高による物価への影響、サブプライムローン問題に端を発した世界の金融不安と円高、国内の政治状況の問題など、楽観視できるものではありません。

平成20年度一般会計予算は、高齢社会、少子化の歯止め、制度の変更など、社会状況の変化や区民のニーズに応えるため、189の行政計画に優先的に予算を組み、その過程で区長プレゼンテーションを行って、全庁的な意識の共有化や、連携強化を図られたことを評価いたします。また、管理経費や事務事業の見直しにより無駄を省き、特定財源を確保されている点も努力に敬意を表します。基金の活用や区債の発行による歳入の確保は、財源計画の範囲内であり認められる内容でした。こうした計画や財源の裏づけのもと、組織の体制を整え、全職員の意欲的な取り組みに大いに期待するものです。また、予算審査の過程で指摘しました点にご留意いただき、一般会計他、7特別会計予算を認定する立場から、通告しました何点かについて、質問いたします。

 

次に、台東区の公式ホームページのあり方ついて伺います。

今や情報を得る方法としてインターネットからホームページにアクセスすることは、パソコンのみならず、携帯電話からも気軽にアクセスすることが出来る時代になっており、公式ホームページは区の行政情報発信ツールとして大きな役割を担っていると言えます。学校でもパソコンを使うようになり、家庭ではパソコンが苦手な高齢者も孫に「チョット調べて」と頼んで調べ物をしたり、若い人は会話の途中でも「チョット調べてみる。」と携帯電話を取り出します。そこで区のホームページにアクセスしたとき、見やすく、調べやすく、詳しく、使いやすいことが大切です。また、利用者の声を反映させる為、双方向性の利点を活用し、この情報は役に立ちましたか?はい・いいえのどちらかにチェクして、送信してもらう簡単なアンケートも考えては如何でしょうか。これまでもホームページの充実を図ってきたことは承知していますが、知りたい情報にたどり着き易くするする、行政情報は詳しく載せる、感想を送信してもらう方法を工夫する、などの改善を図る必要があると考えますが、区長のお考えをお聞かせ下さい。

また、広報「たいとう」は区民にとって、身近で、親しみと信頼をもって読まれています。これもホームページにはない良さがあると感じています。区政の情報発信の大きな仕事を長年にわたって担ってきた歴史と、手元にあっていつでも読むことが出来る便利さが指示されている理由であります。しかしその時々の新しい施策についての詳細な記事や、環境問題、健康問題、交通安全、防犯、防火週間、人権週間・男女共同参画週間などの特集記事が少ないと思います。発行回数や紙面を増やすなどの充実を図ることは、区政に対する、区民の理解と協力を得る意味でも大切と考えますが、ご所見をお伺い致します。

健康に関する事柄について2点、質問いたします。

一つ目は、心の健康についてです。ここ数年前から増え続けている不幸な事件は、高齢者の虐待、幼児虐待、DV、などの家庭内の事件であり、弱いものに向けられる暴力です。加害者に問題があり心の病とも言われています。また、うつ、ひきこもり、不登校、過食症、拒食症、パニック障害、などのように自分自身の体や行動に向けられたり、アルコール依存、薬物依存などのように一時的な逃避行動になることもあります。これらは、年齢、性別・社会的地位、収入にかかわらず、起きていて、原因は社会的ストレス・仕事や人間関係、家族間の悩みなど様々です。一人の問題行動が、ほかの家族も巻き込んで問題が広がってしまうこともあります。しかし、本人も家族も解決の糸口が見つからないままこじれてしまい、相談の窓口にようやくたどり着くというのが現状ではないでしょうか。本区の相談件数も多くなっているとの答弁がありましたが、日常的に精神科医をホームドクターとして、悩み事を気楽に相談しているアメリカとは違い、精神科、神経科、心療内科が理解されず、どこへ行ったらいいのかイメージできないのです。また、人権問題と勘違いされそうなナーバスな部分もあり、偏見も排除されていない為、行政の取り組みや、医療機関の積極的アプローチも少ない状況です。

眠れない日が何日も続く、考えがまとまらず堂々巡りしてしまう、いらいらして感情をコントロールできないなど、早い段階での受診が重要であり、心が傷つく事への理解を深める啓発も必要と考えます。信頼できる専門医に気軽に相談できるよう医療機関の情報提供も行い、心の健康の大切さと、「明日はわが身」という思いやりの気持ちも肝心と存じますが、区長のご所見をお聞かせ下さい。

次に、健康危機管理の問題として質問いたします。

先ごろ、起こった中国産冷凍餃子事件は、冷凍餃子に農薬が混入し、これを食べた子供が一時は意識不明の状況になったという大変にショッキングな事件でした。しかも日本各地から、同じ製造工場の餃子に農薬が検出され、回収物の分析や混入経路の追跡は今も続いています。冷凍食品は家庭や、外食産業にも便利で安価に使われ、行き渡っているだけに、食の安全の信頼を損ねたばかりでなく、便利さや値段の安さの追求にも警鐘を鳴らしています。私たちの生活の食品中に健康を脅かす危険が潜むこと、「おかしい」と感じた食べ物に遭遇した時に、どうすべきなのかを考えさせられた事件でもありました。売られた店に苦情を言えば、品物を交換するとか、換金するという対応は考えられますが、原因は明らかにならないでしょうし、原因を追跡するかも疑問です。千葉市の例では、①下痢やめまいの患者を病院は胃腸炎と考え、食中毒か分からないので保健所に連絡しなかった、②保健所に家族が現物を持ち込んだが、コープが調べていると断った。③年末の連休に保健所に連絡したが、係りがいない為、対応したのは休日明けになった。など連携の悪さ、休日の不備が指摘され、厚生労働省は対策を見直し、保健所は年中無休24時間体制にするとしました。千葉県、兵庫県とも厚生労働省への連絡が遅れ、毒物の検査にも時間がかかり、回収が遅れた点も指摘されています。そこで各省の局長級を「食品被害情報統括官」として連携の強化を図り、都道府県から厚生労働省への報告範囲を見直すなどの対策が採られています。国の対策の見直しも大切ですが、本区においても、職員の健康危機管理マニュアルだけでなく、区民の認識の共有化に取り組まなければなりません。被害を広げないために、健康危機管理は私たち一人ひとりの問題であり、どのような形で問題が発生するのか予測できないだけに、日ごろからの心構えが大切です。食べ物、空気、水などいつもと違うと不安を感じた時、どの様な行動を取ったら良いのか、具体的な方法を区民に周知しておく必要があります。関係機関との連携や、一報を受けた職員の対応も肝心で、感性を磨き適切な行動が取れるように研鑽頂きたいと思います。以上健康危機管理の取り組みについて、区長のご所見をお伺いいたします。

 

以上で私の20年度予算に対する総括質問を終わります。有難うございました。