令和2年第三回定例会 本会議一般質問

令和2年第三回定例会 本会議一般質問

令和2年第三回定例会 本会議一般質問

令和2年9月23日

 自由民主党の高森喜美子でございます。令和二年第3回定例会に当たり一般質問を行います。

1. 区民の生命と健康を守る為の今後の取り組みについて。

①インフルエンザ流行期を控え発熱時の不安解消と的確な情報発信について

 今年は、2月の初めから新型コロナウイルス感染症の影響を受け、「台東区新型コロナウイルス感染症対策本部」の設置に始まり。保健所に専用電話相談窓口の開設、感染者の入院先の手配、感染防止対策。PCR検査センターの開設と検体採取の実施、また、産業への影響軽減のための支援、特別定額給付金の支給、そして新しい日常の啓発など、国や都との連携を取り未知のウィルス、経験したことのない事態に対処して頂いていることを高く評価しご努力に感謝申し上げます。
 最近では、新型コロナウィルスの特性も分かり、「3密を避けよう」を合言葉に、日常生活での対策も浸透してきていますが、新規感染者数はなかなか0になって参りません。
 そこで初めに発熱時の不安解消と情報発信について伺います。
 自粛による閉塞感や不安感は誰もが感じている状況にある現在、秋から冬にかけてインフルエンザの流行期を見据えると、「発熱」という普段なら何でもないことが、大きな不安要素となると考えられます。
 厚生労働省は9月4日、冬の新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、発熱症状のある患者が受診する際の手続きを変更すると発表しました。新たな仕組みでは、「発熱者はまずは近くの診療所やかかりつけ医に電話で相談。対応できる場合は検査や診療を受ける。できなければ、対応できる医療機関を案内してもらう。迷った場合は、帰国者・接触者相談センターを衣替えした「受診・相談センター」(仮称)に電話で尋ねる」としています。都道府県に対し10月中に体制を整えるよう通知しました。準備が整った自治体から実施するとしています。本区ではすでに医師会のご協力を頂きかかりつけ医からPCR検査のできる医療機関を紹介する仕組みができています。現状かかりつけ医ではスペースがなくPCR検査の受け付けや診療ができないところが多く、患者が増えたときに電話対応の人手が足りないことも考えられます。発熱などの症状がある場合、発熱の原因が新型コロナウイルス感染症の陰性か陽性判の判断が、つぎの治療へ進む前提になり、医師の診断の下、抗原検査・PCR検査・インフルエンザ検査が適切に受けられることが大切になります。検査の結果を早く知るためには、ヨーロッパ各国で使用されている日本製のPCR自動検査機器を本区の検査に導入することを検討しても良いのではないでしょうか。
 また、現在 保健所に置かれている帰国者・接触者相談センターの名称は。すでに区民感覚とずれていると思います。日ごろ健康な若年層はかかりつけ医を持たない場合も多く、区の相談窓口を頼ると思いますので、保健所の相談窓口は「新型コロナ・発熱者相談センター」のような分かりやすい名称に変えるて頂きたいのです。そして相談体制・検体採取体制・検査体制・治療への流れを理解できれば、発熱時の不安な気持ちも少しは解消されるのではないでしょうか。ホームページの情報発信にこうした内容が見当たりません。そもそもホームページで相談窓口にたどり着きにくいことが問題です。秋・冬にインフルエンザや風邪の流行で、見分けにくい発熱者が増える事を前提に、患者の立場や困っている人の立場に立った情報発信を求めます。感染拡大の防止と、不安の中にある時も適切な行動がとれるよう取り組んで頂きたいと存じます。区長のご所見をお聞かせください。

②中・長期的視野に立った新型コロナウィルス感染対策の推進体制強化について

 新型コロナウイルス感染症拡大という危機的状況から今日まで、保健所や危機管理室が中心となって、区民からの相談や濃厚接触者の判定、陽性者への対応、施設やイベントの取り扱いなど想定していなかった様々な事態に対処し、産業振興・学校教育・福祉の各分野においても所管課が全力で頑張って頂いたことは高く評価しています。今、少し落ち着いた状況になりましたが、新型コロナウイルス感染症との戦いは、今後も様々な状況下で続いていくものと思われます。
 定例会冒頭の区長発言にありましたように「区民の生命と健康を守り抜く」為にも、各セクションが課題を共有し、企画財政部・健康部・危機管理室を中心に、推進体制の強化をはかり、これまでの取り組みや経験を大きく前進させていただきたいと思います。中・長期的視野で新型コロナウイルス感染症に立ち向かう体制について区長のお考えをお聞かせ下さい。

2. 今後の区政運営について

①令和3年度の予算編成について

新型コロナウィルス感染症の影響は人体への影響に止まらず、区民生活や経済活動に大きな打撃を与えています。これから数か月間の間に来年度の予算編成の時期に入ります。区長からは「区民の生命と健康を守り抜く」「区民の生活や事業者をしっかり支える」「新たな日常に対応した区役所への変革」に3つの柱に基づく取り組みを進めるとの方針が述べられました。どれもwithコロナの今日重要な取り組みであると私も思います。しかしながら、先ごろ公表された2020年4-6月期の実質GDP成長率は年率換算で28.1%の減となり、戦後最大の落ち込み幅となり、リーマンショックの時より大きいと言われています。本来は2020オリンピック・パラリンピック大会でで経済も大きく伸びるはずでしたし、そのために設備投資をすでに終わらせ、多額の債務の返済が始まっている企業も多く、急激なコロナショックは2重の苦しみになっています。経済の落ち込みは、本区の財政にも、区民税や特別区交付金の大幅な減収として、かなり深刻な影響を覚悟しなければならないと思います。どのような経済の荒波が押し寄せても必要な対策を着実に実施し、財政基盤を維持していくには今から庁内全セクションでの的確な対策が必要です。まずは、新型コロナウイルス感染症対策の強化で区民の生命と健康を守ること、今年度感染症の影響で中止した事業は令和3年度も実施が不透明ですので予算計上を見送ること、前例にとらわれず、有効性や効率性などの観点から事業を見直し休止や廃止も検討すること。そして、コロナ禍の変化の時代に必要な優先度の高い事業は積極的に進め、区民サービスの質を高めることが大切と思います。ピンチをチャンスに変える職員の皆様の創意工夫で乗り越えられると期待しております。令和3年度予算編成は予測不可能な要素もあり、減収が見込まれる厳しいかじ取りを迫られます、どのような方針で臨むのか区長のご所見をお聞かせ下さい。

②行政計画の見直しについて

令和3年度行政計画について変更するむねの報告が委員会でありました。令和4年度以降の行政計画についても令和3年度に変更せざるを得ない物と思われます。「来年の話をすると鬼が笑う」と言われますが、変化の大きさは笑われても考えざるを得ません。新型コロナウイルス感染症拡大は、マスク・手洗い・消毒・検温を日常のこととし、3密を避け、接触の機会を減らしています。テレワークの急速な普及、在宅での買い物やテイクアウトでの食事、学校教育におけるICT環境の整備とリモート授業の実施、避難所における感染症対策、外国からの来訪者の激減、観光旅行の自粛など極めて短時間での変化です。ことに行政におけるIT化の遅れは国や地方公共団体に大きな課題を突き付けました。観光立区台東区の産業への痛手は大きく、アフターコロナへの対応が求められています。必要な施策を時機を逸することなく講じ、区役所のオンライン化、キャッシュレス対応、働き方改革もスピード感を持って進めなくてはなりません。区役所も変わる、施策も区長が掲げた3つの柱に基づき進めようとしていますし、廃止や休止せざるを得ない事業についても区民の理解が必要です。不透明な社会状況下であっても計画的な区政運営に努めることは重要であります。区制の変革を知って頂き、将来の展望を示す意味でも行政計画の見直しは重要な役割をもっています、行政計画改定について区長の基本的な考え方をお聞かせください。

3. 女性への暴力ことに性犯罪・性暴力の根絶について

①ワンストップセンターの周知や性罪犯・性暴力根絶への区民の理解と啓発について

 今年6月11日、橋本聖子内閣府特命大臣は政府の新たな方針を決定し、国民向けに次のメッセージを発表しました。「性犯罪・性暴力は被害者の尊厳を著しく傷つける重大な人権侵害であり、決して許されない事です。その影響は長期にわたることも多くあります。私は、大臣就任以来、性暴力被害の当事者や支援団体の方々からお話を伺い、被害の実態や深刻さに、深く心を痛めておりました。令和2年度から令和4年度までの3年間を「性犯罪・性暴力対策集中強化期間」として、取り組みを抜本的に強化していく事としました」と述べ「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を政府としての決意としました。同時に都道府県知事あてに協力要請の通知もしました。刑法改正や犯罪防止については法務省、被害届の受理や捜査などは警察庁、被害者支援や啓発は内閣府、性暴力を防ぐための教育は文部科学省が所管し、内閣府がとりまとめ幅広い組織が連携して取り組むのが特徴と言えます。
 そもそも日本の刑法性犯罪規定は今から110年前に作られたもので、当時は女性の参政権がなく、その規定は現在の人権感覚とかけ離れたものになっていました。2017年の刑法改正を機に動き出し、刑法付則第9条の3年後検討条項を拠り所に、性犯罪に係る事案の実態に即した施策の在り方を研究してきました。「1is too many !」性暴力の被害者は一人でも多すぎるを合言葉に、自民党ワンツー議連が活躍しました。今年6月5日に自民党・公明党からだされた提言は「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」に盛り込まれました。子供や障害児・障害者への性暴力にも力点が置かれ、刑法のありかた、運用の検討、性犯罪の繰り返しをゼロにする施策、被害者支援の環境整備、切れ目のない被害者支援、教育・啓発活動など重要な内容となっています。
 現在では各都道府県に1か所の24時間対応の「ワンストップ支援センター」が設置されていますが、さらに充実すること、警察や各機関との連携、人材の育成が課題となっています。
 性暴力の被害を受けた女性のうち6割が誰にも相談できなかったという調査があり、加害者が7,8割が顔見知りで警察に被害を申告することが出来ず、時間がたってしまうことも多いのです。
 3月にNHKで放送された証言記録「うずもれた声 25年の真実~災害時の性暴力」では、阪神淡路大震災の時、避難所での生活を強いられているさなかの被害で、声を上げられない被害者のくやしさや心の葛藤が語られ、NPOや研究者の支えと25年間にわたる活動がつづられていました。被害者の声が届くまでにこんなにも時間がかかるのかと、涙と共に申し訳ない気持ちになりました。被害当事者の声や支援団体の努力で内閣府も動き政策として進んできました。しかしながら、世の中の理解と、犯罪抑止、また、万が一被害にあった時泣き寝入りしないですぐに相談できるワンストップセンターや全国共通短縮番号#8103の周知が必要です。若い女性を言葉巧みにだまし、AV出演の強要、やJKビジネスの被害も問題になっています。女性への暴力の根絶は台東区の男女平等推進行動計画第5次の主要なテーマです。啓発や周知についてどのように進めるのかお考えをお聞かせください。

②「生命の安全教育」の実践のついて

最後に教育長に伺います。自分を尊重し、同じように相手を尊重すること、加害者にも被害者にもならない、傍観者にもならないこと、自分の体を守る力を日常的に備えていくためには、「生命の安全教育」が必要です。今新型コロナウイルスから身を守る為に健康教育をしていることと思います、交通安全教室・災害教育も身を守る教育です、同じように、小さいころから「水着で隠すようなところは他人に見せない、触らせない」というように具体的に教えていかなくてはなりません。性犯罪・性暴力から身を守る「命の安全教育」の実践について教育長のお考えをお聞かせください。

 以上で質問をおわります。ご清聴ありがとうございました。