令和2年 予算審査特別委員会 総括質問

令和2年 予算審査特別委員会 総括質問

令和2年度 予算審査特別委員会 総括質問

令和2年 3月16日

 自由民主党の高森喜美子でございます。令和2年度東京都台東区一般会計予算、他5特別会計予算について賛成の立場から総括質問を致します。令和2年度一般会計予算は、総額1037億円で過去最高額となりました。歳入における特別区民税、地方消費税交付金が増えているものの、主要財源である、特別区財政調整交付金は、地方税を国税化して再配分する不合理な税制改正の影響を受け、減収を見込んでいます。特別区債11億円、基金繰入金57億円を活用して歳入を編成していることも特質であります。国の経策の効果もあり、雇用・所得環境の改善が続き、安定した経済状況にあるとは言え、今回の新型コロナウイルスの感染症の拡大や国際情勢の急激な変化等、不測の事態にあっても区民生活への影響を最小限に止める為にも基金は重要であり、区長の慎重な財政運営に賛同いたします。歳出においては2020東京大会への盛り上げとレガシーの醸成、区立特別養護老人ホームの再編と定員数の増加を図る為(仮称)竜泉2丁目福祉施設整備、小・中学校へのタブレットパソコンの整備、浅草公会堂の大規模改修、子育てに困難を抱える家庭への支援、災害対策、文化の発信など時期を得た取り組みを評価いたします。

 一方で審議の中でも指摘いたしましたが、効果の検証を適切に行い考え直す必要のある事業、小中学校における約140人に及ぶ、不登校の児童生徒の「教育の機会確保対策」については格段の努力を求めます。

1. 新型コロナウイルスによる影響緩和策の取り組みについて

質問に入ります。初めに新型コロナウイルスによる影響緩和策の取り組みについて伺います。自民党経済成長戦略本部・新型コロナウイルス関連肺炎対策本部は、新型コロナウイルスによる経済的影響が、業種や地域を問わず経済全体に幅広く及んでいることから、経済面から万全の対応を取る必要があるとの観点から、「新型コロナウイルスによる経済への影響緩和策」を安倍総理に申し入れました。内容は中小企業などの資金繰りを支援するため、融資の条件を緩和した「コロナ対策特別貸付け」の創設や、売り上げが急減した企業の借入金を保証する「セーフティネット保証」のさらなる活用を要望し、民間金融機関についても、企業の経営継続に向けた適切な対応を促すよう求めています。政府はこうした提言を踏まえ5000億円規模の資金繰り策を進め、日本政策金融公庫による「衛生環境激変対策特別貸付」を2月21日から始め、旅館や飲食店などの感染症による影響で悪化している経営の安定化を支援しています。また、3月3日、自民党からの要請は、小学校などの休校によって休業を余儀なくされた保護者の収入補償や、非正規労働者・個人事業主に対する支援の検討を速やかに行うことも求め、さらに、企業の雇用維持を支える「雇用調整助成金」については、対象の拡大に加え、地域によっては助成率の引き上げなども必要だと指摘しています。このほか、休校に伴う学校給食の停止や各種イベントの自粛により損失を被る関係者への支援、感染終息後の観光需要回復に向けた施策なども明記し、今年度の補正予算や予備費、来年度予算を通じて切れ目なく対応するよう求めた。と聞いています。すでに、政府の緊急対策第2弾として3月10日に公表され実現しています。台東区は中小事業者の多い区であり、観光客の激減による経営不安を感じている事業者は多く、さらに事態が長引けばあらゆる産業に影響することは目に見えています。現在までの産業政策課での取り組み状況は審議の過程で答弁頂ましたが、感染症による経済へのこれほどの影響は経験がなく、当事者である事業者の戸惑いは想像に余りあると存じます。事態の変化と政府の取り組みも時を追って進んでいくものと思います。既に、新たな制度融資についても、区の窓口に受付開始から3月12日まで9日間で256件の申請があり、この厳しい現状を乗り越えようと頑張る事業者がいます。区は、こうした事業者を応援し、国の対策の進展に合わせ、迅速な支援に繋げていかなければならないと思います。区長のご決意をお聞かせください。

2. 生涯にわたる女性の健康支援について

次に生涯にわたる女性の健康支援について伺います。毎年3月1日から8日までを「女性の健康週間」と定め、国及び地方公共団体、関係団体等社会全体が一体となって、各種の啓発事業及び行事等を展開することで、女性が生涯を通じて健康で明るく、充実した日々を自立して過ごすことを総合的に支援することとしています。2008年から厚生労働省が主唱する国民運動として展開されてきました。しかしながら、子宮がん、乳がんの予防と言った疾病対策に力が入り、生涯にわたる女性の健康の視点は緒に就いたばかりと言えます。女性は生涯を通じて女性ホルモンの変化に影響を受けながら生活を送っています。この影響による健康リスクを減らし、心や体のバランスを保つことは、人生の各年代における、女性の自己実現を促進し、社会参加を後押しすることにもつながります。女性のライフスタイルの変化や社会進出、健康寿命の延伸など、女性の健康の包括的支援は、世界に共通する重要な政策課題となっています。台東区では女性のトータルヘルスサポート事業で女性のための健康相談を行っています。さらに女性の健康情報をきめ細かく区民の皆様に届ける必要を感じます。成人式に20代の健康についてパンフレットを配布していますが、これも一つの方法です。婚姻届提出時や妊娠、出産の時、健康診断のお知らせ等と共にその年代に合わせた女性の健康情報を提供して頂きたいのですが如何でしょうか?また、迅速なツイッターでの発信や、区のホームページでの分かりやすい情報発信も大事だと思います。文京区のホームページで「女性の健康」を検索すると、体系的に示され、分かりやすい内容になっています。本区のホームページも更新を計画していますので健康部のページの充実と女性の健康を位置付けた内容に改訂して頂きたいと思いますが如何でしょうか。区長のご所見をお聞かせください。