平成29年第1回定例会 予算委員会 総括質問

平成29年第1回定例会 予算委員会 総括質問

平成29年第1回定例会 予算委員会 総括質問

平成29年3月21日

自由民主党の高森喜美子でございます。平成29年度東京都台東区一般会計予算並びに特別会計に賛成の立場から総括質問をさせて頂きます。

平成29年度一般会計予算は988億円を超える予算と成りました。特別区民税の税収が伸びていることは、台東区の人口の増と景気回復が要因として考えられます。とは言え世界の政治状況や経済は予測が難しい上、影響は本区にも及ぶ可能性が多きことから慎重な財政運営となっています。

歳出では、エネルギーの節約と環境への配慮から他区に先駆けて区有施設のLED化を前倒して加速化させたこと、システムのクラウド化やペーパレス化の計画的実行で経費の削減を図った事、観光バス路上駐車問題解決の為、観光バス予約システムの導入などに取り組む事は高く評価いたします。では、通告の順に4点について質問いたします。


1. 上野地域のまちづくりについて

上野駅の将来のイメージについて

始めに上野地域の街づくりについてお聞きいたします。

29年度予算に「上野地区まちづくりビジョン」の策定が挙げられています。上野は明治17年には上野―熊谷間の鉄道事業開業に伴い仮駅舎が創られ交通拠点の先駆けとしてスタートしています。時代は貨物中心の鉄道から旅客中心の鉄道に変わり、昭和2年には地下鉄も浅草ー上野間に開通、現在の駅舎は2代目の駅舎として昭和7年に落成し、東京の北の玄関口として、車寄せのある風格のある建物でした。中国大連の駅は上野駅をモデルに作られたと言われ、今なお大連の顔を誇っています。数年前大連を訪問した際に大連駅を見て上野の駅の状況が寂しいものに映りました。

現在の上野駅の正面玄関は、ペデストリアンデッキが車寄せに不自然に接続され、暗い印象になり、昭和通り正面からの眺望は見る影もありません。正面玄関下の搬入口からのトラックの出入りばかりが目立つ状況となっています。また、地下鉄駅、京成上野駅とJRとの地下の連絡通路も暗く複雑になり課題となっています。東京都内のターミナル駅が次々と近代化していく中で、「上野地区街づくりビジョン」を検討するに当たり地下の通路を含め上野駅の将来像を描くことは極めて重要であると考えます。区長のお考えをお聞かせください。


上野駅ジュエリーブリッジの修繕と展示スペースの今後の在り方について

つぎに、上野駅前のジュエリーブリッジについて伺います。委員会質疑の中で本区はペデストリアンデッキの清掃・エレベータなどの一般管理を担っているとの答弁がありました。しかし通路や階段のタイルや点字ブロックの剥がれ、落書きなど修繕が喫緊の課題であると感じています。2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、上野の印象が悪くなりかねません。国と連携し整備感のある状態にして頂きたいと思いますが如何でしょうか?また通路上に展示スペースがありますが、内容が見る人に伝わり難く、魅力ある展示になっていません。多くの観光客や来街者の方が通行するのですから、見て分かる工夫とセンスの光る展示にして頂きたいと思います。区長の御所見をお聞かせください。


上野駅公園口の整備計画に伴う、交通全体の安全対策について

もう一点は、上野駅公園口の整備と交通全体への影響について伺います。現在示されている上野駅公園口の整備計画では、公園口改札口と上野公園への歩行者の安全は確保されると思われます。しかし、南北に通行できた上野駅公園口前の道路は分断され、ロータリーで迂回する事となるので区道は相互通行になります。道路幅の限られた中で相互通行になることに加え、この道路に接続する左右にある駐車場からの車の出入りもあります。さらに日曜祭日は駐車場へ入る順番待ちの車列も中央通りまで伸びているのを見かけます。中央通りとの交差点も今は区道が一方通行ですからスムースですが、双方向になれば区道への出入りの車が信号で止められ混雑するガード下と、スクランブル交差点を通過させなくてはなりません。中央通りの通行は信号の連続化で現在は渋滞することはありませんが、この交差点の複雑化により渋滞のリスクも懸念されます。上野駅公園口は安全になる一方で区道や交差点、中央通りの安全と通行が阻害されては整備の意味がありません。この解決策については適切な対応を東京都・JR・台東区の協議の中で示して頂きたいと思います。区長のお考えをお聞かせください。


2. 健康で生活する為の施策について

脳卒中の危険を回避する為、一過性脳虚血発作(TIA)の啓発について

健康で生活するための施策について伺います。

平成28年9月に公表された平成27年人口動態統計によると、日本の死亡原因の一位がん、二位心疾患、三位肺炎、四位脳血管疾患と言う順になっています。がん検診や健康診断、運動や生活習慣の見直しなど健康への関心は以前より高まっていると思います。

そのなかで脳ドックのような脳の健診は敷居が高く、自分は大丈夫と決め込んでいる人が多いように思います。しかし、脳梗塞や脳卒中に襲われれば、最悪の場合は死に至り、手当てが遅れれば重い後遺症により、手足の麻痺や言葉をしゃべれないような状態になりかねません。誰もがこのような事に成りたくないとおもっています。そこでこんな症状が出たらすぐに救急車を呼び、そのあとに起こる大きな脳卒中を予防しようと岡山県では住民に呼びかけています。それが一過性脳虚血発作(TIA)です。

一過性と言うだけあって、手が上がらない。足が重く動かせない、ろれつが悪くしゃべれない、などの症状が出るのですが、すぐに何事もなかったかのように治ります。治ってもすぐに救急車を呼んで専門の医療機関で見てもらいなさいというのです。この啓発はテレビでコマーシャルの様に流れて、子どもでも知っているようで、お年寄りの家族が「手が上がらない」と言うと「救急車呼んだら」と心配するそうです。知っていれば脳卒中のリスクが回避され、本人にも家族にも社会的にも大きな効果が出ると思います。本区でも一過性脳虚血発作(TIA)は緊急事態であることを多くの区民に知ってもらうよう、症状と対処法を普及啓発して頂きたいのですが如何でしょうか、区長のお考えをお聞かせください。


心の健康の認識と初期対応について

つぎに、心の健康と初期対応についてお聞きいたします。

心の健康は本人も気が付かない内に崩れていたり、家族はおかしいと思ってもどうしたら良いのかわからない、まして他人では友人であっても言いにくいなどで、対処が遅れてしまいがちです。社会生活の中で誰もが精神的に傷ついたり、落ち込んだり、押しつぶされそうになり、バランスを崩す事はあるのです。

ひきこもり、うつ、摂食障害、パニック障害、依存症などで苦しむ人が増えていると言われています。また。他人に向かえばDV,虐待、ストーカーなどの社会問題となる深刻な事態になりかねません。精神的カウンセリングが一般的でない現状で、区でも保健所に相談窓口を設けていますが、プライバシーや人権問題の微妙な壁があり取り組みにくい問題でもあります。

まずは、心の健康の大切さが十分に理解され、初期段階で相談に行くことが出来るようになれば解決も早いのではないでしょうか?健康診断と同時に心の健康もチェックできるようにして頂き、相談窓口や掛かりつけ医との連携を図り、早期の受診に繋がる様に啓発を進めて頂きたいと存じます。区長のお考えをお聞かせください。


3. 教育に係る人材の養成と待遇について伺います。

教育に係る人材の養成と待遇について伺います。

本区では今年度より教育をサポートする体制としてスクールソーシャルワーカーが配置されました。児童生徒の環境は様々で、問題の解決には福祉や医療など学校以外の支援を必要とする場合もあることから、学校の教員とチームで取り組む体制ができました。

また、特別支援教室の全校への設置、スクールカウンセラーの配置など専門的資格を有し教育をサポートする人材が増えてきました。

学校における役割も重要になりニーズも高まっています。スキルや熱意のある方にこども達の支えになって頂き、安心して長く働いて頂きたいと思います。一人一人の力量に頼る所が多いだけに、人材の養成と優秀な人材の待遇について教育長のお考えをお聞かせください。

 

4. 下町コメディー映画祭イン台東の見直しについて 

したまちコメディ映画祭in台東の見直しについて伺います。

すでに10回を超える開催となる映画祭ですが、課題が多くそのたびに指摘して参りましたが問題は解決されていません。膨大な予算を投入して映画の上映がメインですが、タレントの話題性でマスコミに取り上げられたりもしてきました。

しかし映画のジャンルがコメディに固定で、マニアックな感は否めません。どうみても多くの区民に認知され支持されているとは言いのです。また社会的に映画祭としての評価もさほどでもなく、文化の一翼を担うところまでに至っていません。

映画祭により商店街が潤い、多くの集客が出来ているのかと言えば、実感として開催された各地域での歓迎の声はあまりなく、観光や産業への波及効果も乏しい状況です。何よりも民間の協賛金の協力は、区の予算の5%足らずで、多額の予算を区が用意して居る為に実施可能となっているとしか言えません。

行政が多額の税金を支出してこの事業をさらに継続することに疑問を持ちます。思い切って止めてしまい、資金を含む民間の力で映画祭再生の動きが出れば、行政が後押しするスタンスが適当と考えます。

見直しにあたっては、地域住民のニーズや関心に十分に配慮し、民間活力を積極的に導入するよう求めます。区長のお考えをお聞かせください。