平成27年第2回定例会 代表質問

平成27年第2回定例会 代表質問

平成27年第2回定例会 代表質問

自由民主党の高森喜美子でございます。会派を代表し質問させて頂きます。

吉住弘前区長の急逝による、急な選挙でありましたが見事当選された服部区長改めましておめでとうございます。また、私たち区議会も改選により台東区議会18期の議員として32名が当選しました。責任の重さを自覚し、区民の負託に応えるよう、職務に邁進していく覚悟でございます。

さて、服部区長は選挙のスローガンとして“躍進台東区”を訴えました。私たち自民党も台東区のさらなる発展と、区民生活の向上と安心安全を政策の柱としている区長の姿勢に賛同し応援致しました。今日は初めての区長への代表質問でありますので、区長の目指す“躍進台東区”の内容についてお伺い致します、区民に分かり易くお答え頂ければと存じます。

 

初めに、観光と区内産業と庁内組織について伺います。

このところ、上野・浅草はもとより区内に外国人観光客が増えていると感じているのは、私だけではないと思います。

2014年の訪日外国人客数は前年比29.4%増の1,341万4千人となり、これまで過去最高であった2013 年の1,036万4千人を300万人余り上回りました。ビザの大幅緩和や消費税免税制度拡充のほか、アジア地域の経済成長に伴う海外旅行需要の拡大、円安進行による訪日旅行の割安感の浸透などが、2014年の訪日外国人客数の拡大に寄与したと言われています。

直近の状況では2015年4月の訪日外国人客数は、前年同月比43.3%増、50万人以上の増加となる176万4千人で、初めて月単位として170万人を突破しました。このような傾向は、2020年東京オリンピックパラリンピックの開催を見据え、国の政策とも一致しさらに増加していくものと思われます。

外国人観光客への対応のみならず、観光を重要な政策としている本区にとって、これまでにないチャンスと捉え、成果を出すことが出来るのか、重要な局面であると思います。観光を産業と捉え地域経済の活性化に、より強く結び付ける為に、また観光のグレードを上げ、「また来てみたい」「楽しさを他の人にも教えてあげたい」と感じてもらう為に、何が必要なのか具体的政策が問われます。

これまでも、地場産業の支援、商店街支援、観光イベントなど展開しています。しかし区長の所信表明にあるように、多くの事業者が「売上高の停滞・減少」を挙げているならば、観光政策の効果の検証を行い、課題を洗い出し、効果を上げられるように改めなくてはなりません。

産業政策では、経営の革新、若者や女性の起業、ものづくり産業ブランド力の強化や観光客へのアプローチ、商店街の外国語対応と安全対策、文化資源の発信と食や物の内容の発信など後押しする、仕組みや戦略的政策が必要と考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

言い古された批判が、未だに克服されないようでは台東区の将来はありません。目標に向けて、それぞれの所管課が連携・協力し合う横断的組織を作っていますが成果がはっきりしません。重複や無駄を省き、お互いに切磋琢磨し、成果を出す為にさらなる工夫が必要です。職員の力を引き出す為に、横断的組織の効果的な活用について区長のお考えをお聞かせください。

 

次に安全・安心なまちづくりと区有地の活用について伺います。

災害に強い街づくりの観点では、

木造住宅密集地域不燃化事業を東京都の支援を頂き推進しているところです。地域住民の理解と協力なしに実現することは出来ません。火災が発生した時のリスクを軽減するためには、道路の拡幅や建物の不燃化についてより理解を深め、地域住民の防災能力を高めるよう、きめ細かく支援する必要があると考えます。公園への防災機能の充実、来街者への情報伝達の方法、などハード、ソフトも含め、防災まちづくりについてお考えお聞かせください。

 

公共交通機関のバリアフリーについて伺います。

台東区バリアフリー特定事業計画を平成24年度策定し、進捗管理し進めていることは承知いたしております。しかし課題が困難であると時間がかかり、なかなか進まないとの思いが住民感情として、私たちにも訴えられることもあります。そんな中、JR浅草橋駅のエレベーターが実現の見込みとなり、長年の住民の願いが叶い、一歩前進したと感じています。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、障害のある方も高齢者も、安心して交通機関を利用できる、人にやさしい街にして行こうとの取り組みが加速化される傾向にあると思います。

台東区内の鉄道駅ではホームドア設置やバリアフリーが、まだ一部の駅で実現できていません。課題はあろうかと存じますが、この際、実現に向けてさらなる努力が必要と思います。国や都と連携し、公共交通機関に働きかけて頂きたいと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。

 

区有地の活用について伺います。

平成14年10月に、「学校跡地の活用構想」を策定し、その後活用構想の策定から8年が経過したこと、また、旧東京北部小包集中局跡地や旧上野忍岡高等学校跡地を取得したことなど状況の変化があったので、平成23年に「大規模用地の活用構想」を取りまとめています。しかしながら、この構想の中には、「区民の意見や、議会の意見を聞き、緊急性のあるところから計画をたてる、民間事業者の活用をはかる」など記されているだけで基本方針がありません。また、昨年来、坂本小学校跡地、旧東京北部小包集中局跡地について民間からのアイディアを公募することもしています。民間の公募によるアイディアを見てから、どうしようか考えているように見えてなりません。判断基準はどこに置くのでしょうか?

大事な区民の財産であり、限りある大規模用地の活用ですから、地域の将来性やニーズ、交通アクセス、地域産業の状況、人口の構成、人の流れなどの現状把握、土地利用によりどのような効果が見込まれるのか、区の抱える課題の解決に繋がるのかなど、調査による客観的なデータなどを基に、一定の方向性を示して頂きたいものです。まずは区の責任に置いて、確かな分析を行い、確信をもって基本方針を示すことです。その上で民間活力を導入するのなら、区民の理解や協力も得やすくなると考えます。所信表明で区長は「地域の街づくりの核となり、賑わいを生み出すことが出来る大変魅力的な用地である」と述べています。その内容を実現されるために、区長はどのような姿勢で区有地の活用を進めるのか基本的考え方をお示しください。

 

幼児教育と人材の確保について

台東区の0歳の人口は、増加傾向にあります。安倍内閣は、少子化に歯止めをかけ、女性の活躍を応援する政策を打ち出し、保育所の待機児童を0にする為の「待機児解消加速化プラン」により、実施する自治体を前倒しで支援する仕組みを作りました。

台東区に置いても、子育て世代のニーズ調査を基に、待機児解消に向けて保育所の増設を進めているところです。平成26年度から29年度までに500近い保育が新たに確保される計画です。しかし、27年度4月は申請者数が増加して、待機児童数は昨年度を上回る見込みです。保育ニーズは依然高いのですが、すでに過密な都心地域では、不動産需要も高く、保育所を作る場所の確保が困難となっています。

一方で、就学時前人口の伸びに比べ幼稚園への入園者は減少傾向にあります。このままでは、3歳児以上の「保育所」と「幼稚園」のバランスが崩れ、幼児教育の環境が変化してしまうのではないかと懸念致します。そこで、私立幼稚園における預かり保育を充実し、土曜日や夏休みを含む、長時間保育を支援しては如何でしょうか?幼稚園には長年にわたる実績があり、施設も園庭もあります。私立幼稚園では、すでにピアノ教室や、体操教室といった「課外活動」を実施しています。預かり保育があれば3歳らは私立幼稚園に入れて、課外活動も体験させたいと考える方も多いのではないでしょうか。

練馬区では平成27年度から、私立幼稚園が長時間の預かり保育に取り組む為の運営経費や、備品などの開設準備経費を独自に支援し、年度内に20の私立幼稚園で実施すると聞いています。0・1・2歳は小規模保育や認証保育で過ごし、私立幼稚園の預かり保育と連携や交流ができ、教育・保育の向上につながると期待されています。

本区では「幼児教育共通カリキュラム~小さな芽」をつくり、場所の違いにかかわらず、生きる力の基礎をはぐくむ、幼児教育の基本理念のもと取り組んでいます。公立私立、幼稚園、保育園の区別なく、子供の成長と、親のニーズに応えられるように、区の支援制度を一歩前進させては如何でしょうか?教育長のご見解をお聞かせください。

また、保育士の人材不足が懸念されています。国は「保育士確保プラン」を策定しました。内容は、処遇の改善・卒業生への保育所への就職促進・保育士試験受験費用の支援・保育士離職者への再就職支援などが柱となっています。

東京では東京都保育人材・保育所支援センターにおいて、東京都社会福祉協議会の運営で人材確保の活動を展開しています。そこで、本区では新卒の学生に就職を働きかけるだけでなく、資格はあるが、経験がない人、離職してブランクのある人の研修を受け入れ、区内の保育所で実習を体験して頂くようにしては如何でしょうか? 台東区で保育士として働きたいという意欲と、就職に結びつくのではないかと考えます。さらに、各園でばらばらに行っている採用募集については、ホームページに事業者の情報を一括して掲載し、求人希望者に分かり易い情報提供に改めては如何でしょうか?保育人材保確保について教育長のご見解をお聞かせ下さい。

以上で私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。